町民といっしょにつくる
利府町まち・ひと・しごと創造ステーションtsumiki
街レポート 2017.04.06
今回紹介するのは、2016年11月19日、JR利府駅前にオープンした「利府町まち・ひと・しごと創造ステーションtsumiki」です。この場所は、ワークスペースやカフェ、起業・創業などの相談の場として利用できます。「tsumiki」とは、これまでにない価値を生み出す場所です。積み木で遊ぶように積み上げたり、組み合わせたり、組み替えたりすることで、新しい仕事やまちづくりのアイディアが生まれます。
駅を出てすぐ右手側に、ファサードがガラス張りの建物が目に入ります。それが、tsumikiです。
室内は、壁などの仕切りがないオープンな空間です。家具は、目的に合わせて移動したり組み合わせたり、フレキシブルな空間として利用できます。
今回、この施設の管理・運営をしているGranny Rideto(グラニー・リデト)の代表でtsumikiディレクターでもある桃生和成(ものうかずしげ)さんにお話を伺いました。
「利府に点在している資源をつなぎ直すことが必要でした。」とお話しする桃生さん。
そこで行なわれたのが、Rifu-Co-Labo(リフコラボ)。Rifu-Co-Laboとは、2016年6月から9月に行なわれた全8回のワークショップがtsumikiのデザインや機能に大きな影響を与えます。このワークショップでは、公共施設の設計を一般に公開することで、利用者が1から企画に携わることを可能にしました。町民、学生、自治体職員など普段は出会うことがない人たちが集うことで、互いが持つ町への考えを共有することができたり新しい知識を得るきっかけができました。
「tsumiki」の名前やロゴも、みんなの話し合いによって生まれたものです。他にも、tsumikiの条例、行なわれるイベントの企画、フリーペーパーなどもみんなでアイデア出しを行なったそうです。
tsumikiのロゴと、フリーペーパー。
11月に行なわれた芝生植えワークショップ。今後の芝生のお手入れも、ワークショップ参加者が行なっていくそうです。
2016年12月、tsumiki起業・創業セミナーvol.2「ブランディングにおけるデザイン思考」が行なわれました。
2017月2月26日に行なわれた「こ・あきない市」。利府町内外からの来場者、出店者あわせて300人ほどの方々が集まりました。
約20店舗の出展があり、趣味を仕事に変えるための力づけをできる場ともなりました。
以前の利府は、いわゆるベッドタウンと呼ばれる町で、人々が滞在し自然と交わるような場所はありませんでした。そのなかで、新しいものや仕事、アイデンティティを作る必要がありました。そこで生まれたのがこの施設です。
tsumikiはまだまだ成長途中。最初の1、2年は地域資源の掘り起こし。とにかくまちの中に眠っている人やもの、ことを拾い上げます。そして次の段階では、ほりおこしたものをつなぎ、新しい仕事や場を生み出すことをします。
すぐに結果が出ることはまずありません。ゆっくり、じっくり進んでいくことで利府にとってのtsumikiの役割が作られていくのでしょう。
種類 | コワーキングスペース |
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家族構成 | - |
面積 | - |
エリア | 利府町駅前 |
利府町まち・ひと・しごと創造ステーション tsumiki
運営:Granny Rideto
設計:株式会社エコラ
意匠設計:studio niko 笹本直裕
撮影:はま田あつ美